日に焼けた紙の匂いがする
物書きには甘く脳の芯を痺れさせるまたたびみたいなものだ
いつの間にか強いねと言われる事が多くなった
なんだか悲しかった
酒臭い息が切れる
薄暗い道に垂れ下がる街灯が回る
離れていても変わらない
どれだけ距離が離れても
当たり前すぎる毎日の中で
当たり前に過ぎて行く感覚
水しぶきを上げずにすっと落ちる
引かれる力に任せてカラダの力を抜く
「なーっ」
甘いその声に振り返る
記憶はいつも鮮やかで
どんな歌もどんな文章も
明日なんか見たくなくて膝を抱えてる
全てを拒絶するように時間を止める様に
ざーっっと返しては
ざーんっと寄せる