2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

あなたを思うこの気持ちそのものになれたらいいのに

傷つけることなく澱むことなくもなくて こんな事言ったらまた笑われるんだろうな

きみをありったけ抱き締めた

「抱き締めて? きつく息もできなくさせて」 抱き締めたはずのきみは霧散した 腕の隙間から気持ちの狭間から現実とそれ以外の間へ向けて 訳がわからなくなって抱き締めていた手でそこをこじ開けた 綿菓子みたいなきみの残滓が肌に当たって砕け散った きみが…

からっぽ

うっすらと開いた目で何かを見ている訳ではない ゆっくりと上下する胸もただ規則的に動いているだけ 部屋の中に置かれているオブジェクト 何も考えず何も見ず何も聞かない ただひたすらにそこにある 不意に外で大きな音が聞こえ体がびくっと震える あまりに…

風鈴

臨・・・と白一色の朝に眠たい耳に流れ込む 凛・・・と涼を運ぶ音が夏の空気をそっと揺らす 燐・・・と昼の終わりを告げる音が夏の夜に透き通る 淋・・・と寝息を見守るように一緒に眠るようにひとつ鳴る

だからせめて絞りたての上澄みをきみの舌に垂らそう

肌の下さらにその中にある生臭い欲望 脳とは別の所から湧き上がる粘り気のある気持ち それを伝えるには幾重もの神経や血管を抜けて来なければならない 指先に声になる頃には湧き上がった時の影すらなく 底に沈んでいく澱は静謐に重なり続ける こんな事をして…

いまだに続く死という明日に染込んで行く毎日

眩暈がするほど眩しい日差し ずっと続きそうなゆるい幸せに吐き気 息をするのもままならない夜に会いたくて 頭を抱えながら絶え絶えに送ったメール 数秒後の返信に涙がでるほど癒されて 柔らかい鉛筆で温かく塗り潰されて 色濃くなった目の縁に今日も風は鮮…

よくわかんないけど

階段を登っていくと見える景色が少しずつ変わっていってさ あと一歩あと一歩だけって登りたくなるんじゃない? 学生の頃なりたくなかった大人に多分なっているんじゃないかな? 少なくともあの頃の自分が今の自分をみたらどう思うのかな? それでも今の自分…

止めたって聞かないくせに

どうして私を選んだのか どうしても会いたかったから? それとも誰でも良かったの? なんてね あなたと過ごした毎日 可笑しくて下らない事で笑い合えた日々 いっぱい過ごした いろんな事したけど 覚えているのはあなたの事だけ 見ていたのは見て居たかったの…

むせ返る様な雌の匂い

が肌にじっとりと絡む 窓から入る昼と夜の間の風がオレンジから青へと変わる 風に誘われて体の熱が運ばれていく 太陽の世界と月の世界が混じり合う様をセックスみたいだと思いながら眺めていた 肩に回る手 私と同じ仕組みでできてるとは思えない 大きくてな…

砂時計

「一日しか記憶が持たないんだ だからきみの事を好きになっても 明日にはもう今日の僕は居なくなってしまう」 顔立ちが整った肌の白い男はそう言った 角度や光の反射によっては女性のようにも見える 対照的に大きく黒い瞳が濡れて揺れている 「その日で忘れ…

砂漠の夜

ねえ私の大切な人 あなたの事を考えては一つ指を折って あなたと出会ってから過ぎた日を数える 夏の雨の音が聴こえてくる どこか心地よくて守られているようでもあって 私はあなたを想いながら目を閉じて朝を待つ あなたの居る朝を待つ 私の中の砂漠でいつま…

砂の器

掌から零れてくよ たくさんの言葉が きみに言いたかった言葉や言った言葉たちが さらさらと音をたてながら零れてく きらきらと光放ちながら落ちてくのはとても綺麗なんだ 見惚れ魅入る その美しさ以外の感覚が止まってもその美しさを止める事はできない ただ…

或る男

いい男になりたい いい男で居たい いい男で在り続けたい 他の誰でもない君の為に 電気を消した部屋 シーツの上で膝をついてもぞもぞと動くシルエット 包まれるように口の中に入っていく 自分の尖った一部 そこから背筋を通って頭へ抜ける快感 器用に絡みつく…