むせ返る様な雌の匂い

が肌にじっとりと絡む
窓から入る昼と夜の間の風がオレンジから青へと変わる
風に誘われて体の熱が運ばれていく
太陽の世界と月の世界が混じり合う様をセックスみたいだと思いながら眺めていた
肩に回る手
私と同じ仕組みでできてるとは思えない
大きくてなんていうか形が雑な手
寝惚けた手を抱えて自分の体温の足しにする
獲物を見つけたとばかりに手に力が篭る
驚く暇もなく手の内に絡め取られる
ぞくっと背中に昼の光よりも明るいものが走る
私の優しい手
早く起きて
私は愛しさを込めてその指先を口に含んで舐め上げる
少し冷えた体からまた雌の匂いが立ち昇り始める