2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

その小さな手で作り上げた砂の城

小さい頃の記憶 今までまったく思い出さなかったのに その写真を見たら ばらばらに落ちていたパズルの欠片 古ぼけた写真 色褪せているのに強い光を放つ 組みあがるパズルは速度を増していく 今までが嘘のように これからが消えるように 覆る記憶 今までの偽…

自分が知っている自分なんて本当にごく一部なんだ

「泣いていいんだよ」 って言いながら抱きしめてくれたあなた ずっと前からそうして欲しかったように 小さい頃にあやしてもらっていたように なんだか懐かしくて 喉の奥に甘酸っぱいモノが溢れてきた とめどなくて とまらなくて 夜の温度に痺れた手の甲に落…

癒着

後悔してないと言ったら嘘になるわね あの時は他に術も知らなくて 今考えると自分も子供だったって 私たちが求めていた関係っていうのはね ありふれているけれど磨きあっていける そんな他愛のないものだったはずだったの でもこういうものって 何処にでもあ…

寝坊した朝

時間を盗まれたように錯覚をする 盗んだ犯人を恨む 薄い紫色に染まった空 眩しいが暑くはない冬の日差し 肌寒いが体を震わす程ではない気温 時間を失って落ち込んでいた気分 少し晴れた気がした

馳せる夕焼けの小道

君が帰ると部屋が暗くなった気がする お気に入りの香水も心なしか濁って見える 君に見せたいだけだった 僕が見てきた世界を 僕が知り得た事を いつの間にか君とみたものの方が多くなってた 重かった足取り 背負っていた荷物 互いに分け合ってた これは甘えな…

飲み干すのは・・・

線路沿いをわざわざ歩いて帰った 一緒に居たいからなんて無邪気に笑った 高架下で騒音の中で唇を合わせた 思わず耳を塞ぐような頭の上を走る電車の音も 明るすぎる街の電飾も何もかもが消えて 時間すら止まってしまった あっという間にすぎた この体の中に刻…

なんでもない夜に

車の調子が見たかったんだ ついでに話し相手が欲しかったんだ ただそれだけ なんとなく一人じゃ嫌で 二人っきりってのも性に合わなくて そんな話をしてたら4人になってた それぞれを迎えにいく中で 真面目な話とかして とても偶然で大事な機会を作れたんだ…

雪合戦

たった一つの言葉 言ってしまえばいいのに 頭に靄が掛かって浮かんでは消える想い この距離がいいんだよって甘えて 無為に時間を使う事を若さだって言ってる なんのメロディか鼻歌を歌いながら歩き回る彼女 積もったばかりの綺麗な雪面に足跡をつけて喜んで…

春を待つ夜

今日は朝から暖かかった コートは必要ないかななんて迷った挙句着ていった 帰りは少し汗をかいた 部屋は昼間に暖められたい草の匂いでいっぱいだった ふわっと香る緑 その後に来る穏やかな熱 思い立って棚から数本のリキュールを出す 荷物を置いてキッチンで…

約束の地

捻じ曲げられた形で吐き出される浅黒い欲 この国のありとあらゆる工場とかスラムとか そういう所から出された汚水を浄化して その浄化に使われるパイプにこびりついた汚れ そんなものが寄せ集められて 造られた掃き溜めのような夢の世界 着色料のような色の…

寝る前に光る携帯

疲れが体の至る所に残っている 自分の体の頼りない部分が際立って見える 歩く人はみな忙しそうに見える 自分だけが弱音を吐いているような お酒を飲みに行く余裕も無くて 眠る前に陰鬱な酒をあおる 蛍光灯をつけると その暗い部分が照らされてしまう そんな…

人格

優しい人ねってなんて冷たい響き 甘い言葉故に突き刺さり抜けなくなる 笑顔という壁に阻まれ愕然とする なんて卑屈なんだろう なんて身勝手なんだろう なんて思い通りにならない心 引きずり回して来て磨り減り軽くなった自身 生まれてから積み上げてきた道を…

視覚と視覚以外の世界がこう混ざるんだよ ぐにゃりって

よく風邪を引いたよ 小さい頃から 体が弱かったんだろうな 実際周りの奴らもそう思ってたはずだよ なぜかわからないが必ず高熱を出してたな 40度以上の そんな高熱を出すと死んでしまうんじゃないかって? 人間はそんなに弱くないって事だな それでもただで…

探し物という一人善がり

何を自惚れてたんだろうな 言わなくても分かるだろ?なんて いつも思ってた 口にするのが気恥ずかしかったり 疲れていて億劫になっていたり いつもいつも自分の事しか考えていなかったよ 口にするとその分だけ言葉が軽くなる気がしてね 愛の言葉っていうのは…

それでも笑うんだ

自分の歩いて来た道を残して置きたいんだよ 誰のためにって? そんなの知らないな 読みたい奴は読めばいいよ 綺麗な文章でもないし 褒められた内容でもないしな ましてや感動する事すらないだろう 下らない笑えないジョークが並んでるだけだ そう携帯電話の…

書き綴る事

ここを少し読んだ人は気づいてるかもしれないが 書くときの自分の中のテーマみたいなものがあって さらにそれを書く人のテーマがある 大抵はそのテーマから自分を引き摺り出してみるっていう具合だ さらに大枠にあるのが 第三者的な透明感と少しのズレが生じ…

清潔な仮想世界

普段はこんな事を考えたりはしない 考える暇がないからだ なにか合った時に 思い出す 死というキーワード 前兆はあった 死や無というキーワードが目に入ってきていた 虫の知らせのような夢もみた それらは喉の奥にカルピスみたいに引っ掛かっていた すぐに飲…

悲しい事 辛い事 それを失う方が残酷

どこか見覚えのある公園 夢の中の景色なんてそんなものだ 霧が掛かったように周りの景色は霞んでいる 目の前のマンションは遥か雲の彼方までのびている その公園にはと同い年の女の子が 二人で一緒に遊んでいる 楽しそうに笑ったりしているが 一切の音は聞こ…