sketch

目を配ったら愛しさとかの意味が少しわかった気がした

未来っていう光り輝く粒が降り注ぐ 誰にも平等に公平に残酷に綺麗に 自分の意味の一粒を失わないように伝えられるように祈っている 変わっていない様で少しずつ変わっていく街並み のったりと車の通らない道を歩くねこ 自分の細胞の一粒までもがあなたの事を…

電話を掛けようかと思って

やっぱりメールにしようと思って 何回か書いては消して 声が聞きたいだけで電話したらダメだよなぁって自分に言い聞かせて 結局パタンと携帯電話を閉じる 緑色の夜風に流されて見上げた空 踏み荒らされた雪模様

家に帰る理由

きみの「おかえり」が聞きたいから

どうでもよくなった夜に

蒼く大きなお月様 いつも変わらず照らしてくれる 優しい光の粒が降り注ぐ夜 その優しさが少し悲しかった どうしていつも変わらずに どうしていつもそんなに強いの どうすればあなたみたいに強くなれるの そんな優しい光で照らさないで 夜の隅に丸くなる小猫 …

こんな単純なことで

安心できるのに そんな単純なことができない

わかってるけど

ちょっと切ない

ひとつになる

風に抱かれて 空に抱かれて 月に抱かれて 夜に抱かれて 君に抱かれて 自分は自分と云う感覚こそが全てなんだと思い知る 淡く際立つ境界線 うっすらとそこに確かに在って浮かび上がる 少しでも目を逸らすともう見えなくて

キスでわかる感覚

もっとしたくなる 肌を合わせたくなる ふわふわした予感

安っぽいし使い古されてるし嘘っぽいセリフだけど

あなたじゃなきゃダメなんだ

和音

アコースティックギターのリフが響いている 情熱という言葉を音楽に変えたような赤い熱い音 氷が衝突する小気味良い音がシェーカーから聴こえる 洗練された技は機械よりも正確な音を刻む青い硬い音 週末を愉しむ人の話し声と笑い声に自分の声も混じって 椅子…

なんだか

冷たいベッドに入る気になれなくて 寂しいとか空しいとか そんなに大層なものじゃなくて うっすらともやがかかったような気分

仕事の合間に見た景色

飽きる事なく雨が降り続いていた 分厚い窓ガラスを叩き続ける 滲んだ外の景色とガラス越しに届かない外の音 穏やかな空調の音しか聴こえないこの部屋 呆れるくらいの整理された 吐き気がするほど清潔な場所 目の前で地震や天変地異が起きてもフィクションに…

いつも

どうすれば笑ってくれるかなって そんなことばかり考えてる

蓮の根

緩く暖かい泥の中 例え水面に咲く花が見えなくとも 濁った底に届く陽射し 一つの根 一つの華 一つの蓮

すぐ傍に居る

のになぜか置いて行かれている気がする その凛とした横顔に どうしたらいいかわからなくてとりあえず甘えてみる 頭を撫でられてちょっと切なくなった

雪と僕

白く硬く透き通った木々 枝には雪でできた小さな森の動物達 フクロウにリスにコトリの群れ 躍動感に溢れる雪の造形 寒さに鈍くなる僕の指先

眠たい帰り道の途中で

午前5時半 夜と朝の間 紫と橙に空が滲んでいる 名残惜しそうに光放つ星達 このまま岐路を走りぬくのはなんだか勿体無く思えた なんで止まるの?と不思議そうにヘッドランプを向ける銀の車体 調子よく熱を帯びたエンジンを宥める 澄んだ朝の風が体を吹き抜け…

それを見ていた

あなたが頭を撫でてくれているような陽射し 目に掛かる前髪が照らされてきらきらしている 乗客が疎らな車内の床に通り過ぎる電柱などの影が走る 各駅停車ののんびりとしたリズム 目を閉じると浅い眠気が周囲の空気を変える ゆっくりと体を包む 少しずつ中に…

雪音

窓の向こうの音の無い白い景色 木の温もり溢れる部屋を飛び出す 無垢な画板に足跡で線を引く 柔らかな冷たいベッドに寝転ぶ 真っ暗な底の無い空 思い出したように光り色付く雪の欠片 降り積もる時間の片隅に埋まっていく 雪と月の灯りが優しい夜を浮かび上が…

煩過ぎる雑踏の上で音も無く変わる信号の赤と青 目が覚めたときの腕の重みと入り混じった互いの匂い 曲がりくねった道と後ろに流れていく橙色の電灯 ケータイでメールを打つ人達を見ながら待つ急行電車 冷たい夜に巻き上げられる鮮やかに色付いた乾いた葉 鼻…

hello and goodbye

またね 昨日の僕 こんにちは 明日の僕

火を燈すと云う事

銀の月が煩くて眠れないんだ ガラスに浸した水とキャンドル そっと香る炎が水に揺れる 頭が真っ白になるくらい遠い記憶 覚えているわけないけど安らぐ 旅に疲れた人達を癒してきた炎 いつもどこかでゆらゆらと燈される 照らす灯りがみんな消えてしまったら …

繋いだ手 振り払った手 解けた手 掴めなかった手 離してしまった手 届かなかった手 握り締めた手

わからない

ほんとうはわかってるくせに

朝の光に照らされ 僅かに恵みの露を落とす 夕凪に吹かれて 深く呼吸をする 狐の雨 とても儚く 夜の闇に佇み 絶望を限りなく 精霊の囁きの様に 惑わせては霧の中へ消える 流水と舞いあの日の歌を口ずさみ 雷鳴の音と共に崩れ落ちる 何処からともなく 何処かへ…

桜色の風

真新しい雪みたく咲き積もって 暖かな風が強く吹いたら散って仕舞いそうで 毎年訪れる区切りの季節 終わりの季節 始まりの季節 それが終わりの始まりだとしても 夢と現実の境目みたい その淡い色に眼を奪われる その淡い香りに心を奪われる その淡い時間に世…

燻り続ける色褪せた炎

座席は数人程度しか埋まっていない 電車に揺られながら遠くの景色をみてる 心地よいゆらぎと小さな窓 真上に上がった太陽が街を照らす 白と黒のコントラストがくっきりと浮かんでる ふいにあの夜のあの部屋を思い出す 空間がカーテンを引かれるように開く 体…

一日の終わりに

熱めのお湯をいつもより多く溜める 窓を少し開けて灯したキャンドルをそっと置く ゆらりとゆれる照明 連れられて影も躍る 甘い香りが蒸気と混じる 乳白色のバスタブに肩まで浸かる 冷えた皮膚と身体が強張る 濃くなっていく白く細かい湯気 その向こうに蜃気…

衝き動く

自分の証明 鏡には何も映らない 眠れるなら 少し疲れたろ? 空を見上げて 眩しくて見えない明日 誰も居ない交差点 赤と青の両方が点滅している信号 立ち止まる いろんな何かが通り過ぎる 電話越し伝わる君の声 手探りでも 笑わせる事ができたら

いつもの風景

ずっと変わって行く波の音 ディスプレイに映る文字 点滅する信号 道端で風と踊る枯葉とビニール袋 前を歩く人の背中 電車の窓からいつも見える景色 戸棚に置かれた新聞の隅 コーヒーの匂いと立ち上る湯気 自転車のブレーキの音 机の上に置かれたポプリ ビル…