2006-03-15 一日の終わりに sketch 熱めのお湯をいつもより多く溜める 窓を少し開けて灯したキャンドルをそっと置く ゆらりとゆれる照明 連れられて影も躍る 甘い香りが蒸気と混じる 乳白色のバスタブに肩まで浸かる 冷えた皮膚と身体が強張る 濃くなっていく白く細かい湯気 その向こうに蜃気楼みたいな小さな炎 まるで自分がその炎みたいに 目を瞑り口までお湯に潜る 目蓋の裏には残影が 目を開けていても 目を閉じていても 同じ景色が浮かぶ 暗く 暗く 赤く 赤く 揺れて 揺れて