2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

車通勤

朝露のような霧雨 あまりの湿度の高さにうんざりする 空はうっすらと雲を残して晴れ渡ってるのに 雨に濡れた青い葉の匂いを大きく吸い込む キーを回して車は目覚めよく唸りを上げる 助手席からみるあなたは真剣な目で エアコンが効き始める 路面は太陽を反射…

 昨日、今日、明日

明日なんか見たくなくて膝を抱えてる 全てを拒絶するように時間を止める様に 内なる目は決して啓かないで 生きているという今を楽しむ 昨日の事は忘れて明日の事なんて考えないで 何事も無常に過ぎ行く決して留まらないで 昨日に追いつかれる事に怯えながら…

翼の折れた空を見て

またこの感じ わかってる 自分だけじゃないって 一人でいるって言う事は別に寂しい事なんかじゃないって ふと見上げた空のどこまでもどこまでも広がる色 あまりに澄み切った色に立ち竦んで怖気づく 弱くて泣き虫なこの体が道に迷ったみたいに 手を広げている…

青いままで

親愛なるお月様 僕はいつまで子供なんでしょうか もう随分遠くへ来た気がします けれども先はこの夜みたく見えないままです 優しく夜を照らしてくれるのに 僕の明日は照らしてくれないのですか なんて下らない事を思ったりもします あまりに普通すぎるから …

寂しがりな甘えん坊達の溜息

茹だる様な昼の暑さを溜め込んで景色を揺らす 夕闇は暑さに微笑み掛ける様に大粒の雨を降らす 雨が止むまで 誰かに寄り添いながら 刹那とも思える風が吹き貫ける 昨日にも明日にもないどこでもない今 劣情も 慕情も 約束も 駆引も 言葉も 惰性も 嘘も 情も …

明る過ぎる吟月に叢雲

咳が止まらない 道に迷っちゃった こんなにも明るいのに 深く眠りこける体 夢の中でも夢をみてた 目が眩む朝焼け 何も無かったみたい なんでも手に入れて来た 愛と欲に塗れながら 揃ったら虚しくなったよ 鉄を噛み締めながら 渇いた喉に命の水を 黒い天使が…

探求者達 狂信者達

君を想って過ごす夜は 幸せだったんだ きっと 君の姿が目に止まるだけが全てだった 声に出すことも触れる事もできなかった 昨日の夜はあんなに言えたのに 昨日の夜はあんなに 何度でも繰り返した 嫌じゃなかった 空に捧げた祈り 少し返してもらおう 自らの心…

落日に想う

夕暮れの河川敷を汚れたシャツで歩いた 振り返ると遊んでいた場所が遥か小さく ずっと夕方だったらいいのにって思った 夜でもなく昼でもなく みんなで走り回ってられる唯それだけの時間 家に帰りたくないわけじゃないんだけど ふてくされた気持ちなんとかし…

ずっと昔から続いてきた月と海の遣り取り

爛れて落ちる沙の楼閣 これでよかったなんて云うつもり? 夢から冷めてもまた夢の底 頭上には幾重にも罪重なった夢の層 醒めても褪めても繰り返す やがてあなたは諦める 沈む魂は全て有耶無耶に 落ちた粒は溜まりて流れる 母に抱かれる滄海に淀み心熾きなく…

狂戦士達の鎮魂歌

飼いならされた従順 掴み取れない指先 味を分けられない舌 心を感じれない心 唯一直向きに進み続ける 死ぬ為だけに生まれ死ぬ 闘いの瞬間に悦び悶える 名誉なんて必要ない 牽き止められる理由なんて下らない 守るものなんて要らない 未来なんて見えない 陽炎…

邯鄲の夢(2) - side f - 夕立

どんなに饒舌な日でも寡黙になるね 体を預けるように守ってくれるようにゆっくりと動く 大粒の汗がひとつひとつ落ちてくる 暑さと熱さからは考えられないほど冷たい粒 少しずつ昇って逝って達っしてしまう 抱きしめる事もできなくなる 程なく離れる気配 かち…

邯鄲の夢(2) - side m - 熱病

しているときになんで目を閉じるんだろうな 僅かな差の声や反応を見て探って行く いまだに苗字で呼ぶ掠れた声 肌蹴たブラウスに乱れた髪 唇を求めて腕を絡めてくる 震えるのを感じて強くする 達した後に足元がふっと消えて谷底に落ちるような錯覚 した後はな…