翼の折れた空を見て

またこの感じ
わかってる
自分だけじゃないって
一人でいるって言う事は別に寂しい事なんかじゃないって
ふと見上げた空のどこまでもどこまでも広がる色
あまりに澄み切った色に立ち竦んで怖気づく
弱くて泣き虫なこの体が道に迷ったみたいに


手を広げていると風に溶かされて塵になって飛んでいけそうな


そのままどこかで土になって花を咲かせても
何にも変わらないんだろうな
土や花の心なんて知らずに空は雨を降らせる



だから今日を刻み踏み付けて行く
きっと
いつか
どこかで
そんなアヤフヤな事しか言えないけど
見つけたい静かに眠れるあの場所を



何所にでもあるだろう
そんな所には辿りつけないよ
みんなそう言うよ



笑ってもいいよ
呆れても構わない
僕は行くよ
その為の準備もしてきたし
地図を見付けたから



埃を被った眠りの奥
鍵と鎖に繋がれた小さな箱
一切の光の見えない夜の帳
涙と傷でできた水溜り
びしょ濡れになって突き出した手のひら
握られていた磨り減った鍵



見つけたいのはあの言葉なのかもしれない
意味を持ちきれなかったあの言葉
伝えたかったあの言葉
足りなかったあの言葉
あの時言えなかった


きっとそんなもの
ちっぽけでくだらなくて
とてもたいせつなひとひらの葉