2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

家に帰る理由

きみの「おかえり」が聞きたいから

どこかで蝶が羽ばたくと

例えばたまたま見た時計の数字の並びが自分の誕生日と同じだった そんな他愛のないこと それを見なければ特に何事もなかったはずの事 こそっと顔を出した小さな小さな出来事の破片 それをたまたま見つけてしまい拾い上げてしまった その無邪気な笑顔に影が見…

いまはとおく

名前のない僕を だれか呼んでくれるのかな いつかどこかで 未だ聞かぬ自分の名前という意味 わかる日が来るのかな いつかどこかで 誰しもがそのままで愛されていた頃 唯愛されていたその日々 タダシサとかマチガイとか アカルイミライとかツライカコとか マ…

言葉にできないものたち

輪郭や存在や境界や規律 ありとあらゆるコトやモノやヒトに引かれた線 断ち切って越えて引き直して 皮膚で別け隔てられている二人だから 互いの湿った温度をいとおしいと思う もし僕の声が絶える時が来たら 最後にあなたの名前を呼びたい その時僕は僕のその…

どうでもよくなった夜に

蒼く大きなお月様 いつも変わらず照らしてくれる 優しい光の粒が降り注ぐ夜 その優しさが少し悲しかった どうしていつも変わらずに どうしていつもそんなに強いの どうすればあなたみたいに強くなれるの そんな優しい光で照らさないで 夜の隅に丸くなる小猫 …

ゆらゆらゆらゆら

人は考える葦だなんて誰か言ってたけど 悩んで進む事のできない僕は何なんだろう 頭蓋の中の柔らかいその奥に閉じ篭る 悩んだり考えたり思ったりを行ったり来たりしている 生温い午後の細波だったり 風に吹かれる君の髪だったり いつまでも波に漂っていたい…

あなたが私にとって大切な人だから

だから嘘をつくの 嘘をついた事は責めないでって身勝手に思うけれど あなたの為に嘘をついたのって言いたいけれど ・・・なんでわかんないのかなって寂しく思って私は黙り込む

始まりがあれば終わりがあるなんて

いつからこんな風に考えるようになってしまったんだろう きっとあの時だってわかってる どうしようもない事なんてのはどうしてもあって それは本当にどうしようもなくて 受け入れることも流すこともできない きみの顔を見て安心して きみの笑っているところ…

水鏡

降り落ちた雨粒が巻き戻されてくみたいに まあるい気泡が空へ吸い込まれてく 手元にまで届く太陽のやわらかさ 空と底を隔てる表層がゆるやかに捩れている 力の限り空の向こうへ向かって推進してみる きっと透明な壁越えて 纏まり付いた君達も連れて ねばねば…

傭兵達

背中が丸くなった自分の影を虚ろに見詰める 過ぎぬけて行く毎日に色濃くなっていく疲れ 積もった枯葉を小気味良い音で踏み潰しながら 「久しぶり」 背中越しに懐かしい声 「うん ちょっとふらふらしてた」 「一人でか」 「そう」 「たまには顔出せよ 骨拾っ…

何もない自分だから

君にあげられるモノなんてこの想い位しかないから 沈黙が気まずくて唇を塞ぐんじゃないんだ こうしたら少しは何か重なるかな変わるかなって 拙い気持ち伝えたくて