水鏡

celame2007-05-04

降り落ちた雨粒が巻き戻されてくみたいに
まあるい気泡が空へ吸い込まれてく
手元にまで届く太陽のやわらかさ
空と底を隔てる表層がゆるやかに捩れている
力の限り空の向こうへ向かって推進してみる
きっと透明な壁越えて
纏まり付いた君達も連れて
ねばねばした今までのしこりが離れて
やわらかい太陽は熱を放ちこの体を迎える
同時に生まれる僕の影
空へ向かう僕と同じように海底へ向かう僕
気配に気付き振り返ると寂しそうな顔が揺れて



どうして空には僕の影が浮かばないんだろう
穏やかな海の底を泳ぎながら考える