2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧

疲れた。 いつになく疲れが残っている。 降り落ちた雨粒が巻き戻されてくみたいに まあるい気泡が空へ吸い込まれてく 風に抱かれて 空に抱かれて とても悲しい夢を見た 悲しすぎて目が覚めた時には全て忘れていた 何も身に着けていない女の身体 大きな三面鏡

日に焼けた紙の匂いがする 物書きには甘く脳の芯を痺れさせるまたたびみたいなものだ いつの間にか強いねと言われる事が多くなった なんだか悲しかった 酒臭い息が切れる 薄暗い道に垂れ下がる街灯が回る 離れていても変わらない どれだけ距離が離れても 当…

宥める様に聴かせて 眠る前に古い歌を静けさに乗せて 昼間の暑さとはうって変わって 季節に逸れた秋虫が鳴いている 一ヶ月の内に何回か訪れる店 照明は緩やかに落とされて 美しいものに見惚れる それは懐かしいから 獣達も寝静まった真夜中に こっそり抜け出…

座席は数人程度しか埋まっていない 電車に揺られながら遠くの景色をみてる 目に焼きつく白い雪原 人を拒むように吹き荒ぶ風 名前も知らない花 静かな森の谷間にひっそりと生えてた 風が無い 生きるものの息遣いすら聴こえない 小さい頃の記憶 今までまったく…

少しの休みが取れたのでお気に入りの秘湯へ 高速を飛ばしてトンネルを越えて お気に入りのポイント 気分が沈むとここに潜りにくる 窓を優しげな雨がしっとりと濡らす 流れる粒を見ながら 開け放たれた窓から青い風がさらさらと入ってくる 穏やかな日差しがシ…

パーティの帰り道 皆を送り届けて自宅へ向かう道 いつもの朝 少しだけ時間のある朝 部屋の扉を開けると 行き場を失くした音と光達が寝息を立てている しとしとと顔に纏わりつく細かい水の玉 世界が少し重たくなったように コンビナートの明かりが空をオレン…