2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

嵐の前の静けさ

窓をガタガタと揺らす強い風に気が付く 寝汗でじっとりとしたシャツが肌に不愉快にくっつく だるい体を起こしてシャツを脱いで放り投げる 眼を閉じても開いても変わらない真っ暗 額に残る熱と開けっぱなしのりんごジュース 爽やかに甘い匂いに乾いた喉を潤す…

安っぽいし使い古されてるし嘘っぽいセリフだけど

あなたじゃなきゃダメなんだ

和音

アコースティックギターのリフが響いている 情熱という言葉を音楽に変えたような赤い熱い音 氷が衝突する小気味良い音がシェーカーから聴こえる 洗練された技は機械よりも正確な音を刻む青い硬い音 週末を愉しむ人の話し声と笑い声に自分の声も混じって 椅子…

なんだか

冷たいベッドに入る気になれなくて 寂しいとか空しいとか そんなに大層なものじゃなくて うっすらともやがかかったような気分

仕事の合間に見た景色

飽きる事なく雨が降り続いていた 分厚い窓ガラスを叩き続ける 滲んだ外の景色とガラス越しに届かない外の音 穏やかな空調の音しか聴こえないこの部屋 呆れるくらいの整理された 吐き気がするほど清潔な場所 目の前で地震や天変地異が起きてもフィクションに…

いつも

どうすれば笑ってくれるかなって そんなことばかり考えてる

眠りにつくまでの15分

ひんやりと粘度のある闇が手を広げている 包むように犯すように少しずつ染込んでくる トマトジュースのような指先が心と体の隙間に差し込まれていく 見たくない考えたくない自分のグロテスクな部分 想像力という暴力 目をつぶっても叫んでも抑えられない変え…

人生を彩る10の質問

1.今朝飲んだコーヒーはどんな味でしたか 何を見ながら飲みましたか? 2.昨夜飲んだお酒はどんな味でしたか? 誰と飲みましたか? 3.シャワーで流したかったものはなんですか? その時の排水溝を覚えていますか? 4.あなたが最後に見た雨は何色でしたか? そ…

これからだ

と思いながらもこれからもかと思ってしまう 自分で作り上げた壁から逃げられない なにやってんだお前 付き合いの長い友達から結婚の報告と一緒に告白された どうしろと 幸せになれない星の下ってのはやっぱりあるんだよなんて笑いあってた 子供が欲しいから…

神様なんて信じない僕らは

死んだら何処に行くのかな? 僕が信じてるのは君の形をした光 二人の行き着く先が奈落の底でも構わない 二人だけの約束の地へ

夜の長電話

今日の出来事に自分の気持ちを混ぜ込んで話す 何かを落としたのか 「あ ちょっとまって」 不意にトーンの変わる携帯越しの声 思わず携帯の向こうを振り返る そこにいるはずなんてないのに 寂しいけど嬉しい背中がむず痒くなる感情

蓮の根

緩く暖かい泥の中 例え水面に咲く花が見えなくとも 濁った底に届く陽射し 一つの根 一つの華 一つの蓮

愚かな事をしているなんて

言わないで そんな顔しないで 自分が一番わかっているから 前を見ずにぶらぶらしている そんな風に見えるかもしれない 切り立った崖の上をふらふらしている そんな風に見えるかもしれない 遠く背中に届く懐かしい犬の鳴き声 よく一緒に駆け回ってた翡翠の芝…

永遠

終わらないって思わせて 時計なんて見ないで 夜に埋もれるように 静かで淫靡な話をもっとしよう? 永遠はここにある

腕の中の君を護りたい - side m

明日の朝も君が隣に居てくれるから起きられる 一人だと冷たい朝の体も二人だと温かい 人っていう字は寄りかかっているんじゃなくて 腕枕して一緒に眠っているんだよ きっと

眠る前の僅かな - side f

こんな時間が幸せだから あっという間だから 窓を開けないで 夜よ明けないで 本当は眠りたくなんてなくて 夢の中でもあなたを感じるけれど そんなんじゃなくて もっとずっと

誰かの忘れ物

足元に音符を見つけた 土と埃にまみれて埋まっていた 小さな小さな記号 暖かい風の吹く日だった 辺りを掘り返したらもっと出てきた 自分の前の空間を楽譜にして音符を並べてみた 大きさがちぐはぐで少し疲れた音符達 なんだか並べてみると間の抜けた感じがす…