邯鄲の夢(2) - side m - 熱病

しているときになんで目を閉じるんだろうな
僅かな差の声や反応を見て探って行く
いまだに苗字で呼ぶ掠れた声
肌蹴たブラウスに乱れた髪
唇を求めて腕を絡めてくる
震えるのを感じて強くする
達した後に足元がふっと消えて谷底に落ちるような錯覚
した後はなんだか照れてしまう
間を持たせるために煙草を吸う
外の自販機で飲み物でも買って来たほうがいいのかな
汗かいたら喉渇くだろうし
まるで自分を映したように風の無い部屋に紫煙が漂う