寂しがりな甘えん坊達の溜息

茹だる様な昼の暑さを溜め込んで景色を揺らす
夕闇は暑さに微笑み掛ける様に大粒の雨を降らす



雨が止むまで
誰かに寄り添いながら
刹那とも思える風が吹き貫ける
昨日にも明日にもないどこでもない今



劣情も
慕情も
約束も
駆引も
言葉も
惰性も
嘘も
情も
愛も



なにもないわからない
ただそこにあるという永遠



窓に当たっては流れる雨をずっと見ていて
少しずつ輪郭が滲んでいく音に聴き入り
あっという間に過ぎる雲は素っ気なくて
衣擦れの音と押し殺した声に包まれて
漏れる溜息はどこまでも切なく
触れる肌はいつまでも温かく