ずっと昔から続いてきた月と海の遣り取り

爛れて落ちる沙の楼閣
これでよかったなんて云うつもり?
夢から冷めてもまた夢の底
頭上には幾重にも罪重なった夢の層
醒めても褪めても繰り返す
やがてあなたは諦める
沈む魂は全て有耶無耶に
落ちた粒は溜まりて流れる
母に抱かれる滄海に淀み心熾きなく眠る
おかえりなさいと耳元で囁いて
このままでいいのよとずっと逝かせてあげる
微々たる快楽に溺れなさい
寄せては返す波のように繰り返す人の世の性
砂に染まった波の痕よ