眠たい帰り道の途中で

午前5時半
夜と朝の間
紫と橙に空が滲んでいる
名残惜しそうに光放つ星達
このまま岐路を走りぬくのはなんだか勿体無く思えた
なんで止まるの?と不思議そうにヘッドランプを向ける銀の車体
調子よく熱を帯びたエンジンを宥める
澄んだ朝の風が体を吹き抜けていく
肌に残される涼
風の残り香を肺に吸い込む
灯りの消えた街の影と光を吸い込み拡げて行く空
天へと聳え立つガラスの牢閣が橙に染まる
街と空の輪郭が消える