一番悲しい事

それは伝えたい事が伝わらない事
不器用な言葉は周りを傷つけていくだけ
場を作れてなくて或いは時期尚早で
その機会を失ってしまう事もある
飲み込まれた言葉や空に消えた言葉
もう二度と戻ることはない
だから少しずつでも進めるように自分を変える
今まで殺してきた自分の中の欠片に祈るように
下らない鎖に繋がれていた自分を哀れに思う
あれはなんだったっけ
そうだ「自分らしさ」とかいうらしい
らしさなんてない
頭の中で考えただけのものは全て幻想になる
この世の全ての事はその振る舞いに置ける他者の反応
自分の顔つき
身振りや手振り
歩くときの姿勢
ふたつの瞳
紡ぎだす言葉
これらが自分をこの世に形成する
自分の中を外に対して変化させ現す
だから自分は相手の全ての仕種から考える
あなたという人間を
言いかけて止めた言葉や何も言うつもりの無い目
それが全てなのだろうと思う
自分の中で作られた相手の虚像
それを一瞬でも信じてしまった自分は飲み込まれた言葉を想像する
そして思い出す
けれど確かめる術はもうない