それを見ていた

あなたが頭を撫でてくれているような陽射し
目に掛かる前髪が照らされてきらきらしている
乗客が疎らな車内の床に通り過ぎる電柱などの影が走る
各駅停車ののんびりとしたリズム
目を閉じると浅い眠気が周囲の空気を変える
ゆっくりと体を包む
少しずつ中に流れ込んでくる
快速などでは味わえない名前の無い時間



ぼんやりと
陽射しと
影と
リズムと



それらが溶け合っていつか見た一枚の絵葉書みたいだった