視覚と視覚以外の世界がこう混ざるんだよ ぐにゃりって

よく風邪を引いたよ 小さい頃から
体が弱かったんだろうな
実際周りの奴らもそう思ってたはずだよ
なぜかわからないが必ず高熱を出してたな
40度以上の
そんな高熱を出すと死んでしまうんじゃないかって?
人間はそんなに弱くないって事だな
それでもただで済む訳じゃなかったんだ
熱せん妄とかなんとか言うらしいんだがな
脳が危険から逃れるために
アドレナリンやら思考やらなんやらを出鱈目に引き出すんだよ
それが起こる度にバッドトリップしちまう
おまけに意識の変容は起きるしな
意識の変容ってのは
例えば一度死んだ人が生き返ったりだとかして
その後急に宗教に目覚めたりとかするっていうあれだ
まぁ 考え方が多少変わるってだけだ
ただそれに伴って全ての感覚と趣味嗜好も変わったりするが



いつからか忘れたけれど
一番最初に気にしたのはいつだったかな
確か結構長い付き合いの親友に言われたのかな
どれだけ付き合っても何を考えてるかわからない
そんな事を言われたんだよ 確か 多分
酒の席か何かで出てきた事だったが妙に引っ掛かったんだよな
とても真剣なぎらりとした眼をしていたからかな
こっちをみて
まるで人間以外をみるような
怯えるような 称えるような
友達を見るような眼じゃなかったな うん 酒のせいかもな
それからだな 気にし始めたのは



自分の思考の筋道は一体どうなっているのだろうな
そんな大昔の暇人どもにでもやらせておけばいい事を考えるようになったのは
別にその出来事がなくてもいつかは考えるようになったとは思うがな
そう思ってから
結構あるんだよな
こう
なんていうかな
掴み所がないだとか
おかしいって訳じゃないけど少し変だとか
それって言ってる事同じじゃねぇかってその場で笑いたくなるよな
そうして自分の弱い頭なりに認識するんだよ
ジョハリのいう一つ目の窓だっけか
はっきりと意識したよ 見えたというか
そこにあったんだよ 気が付いたら
そこに自分は何が変なんだろうってな
まず普通と違うんだろうと考えた
で普通を定義する
すると普通っていうのは
個人の自意識での範囲での律みたいなもんだってのが
ぼんやりとわかってきた
めんどくさいからそんな定義にする 持続力ないんだよ
じゃぁ 普通っていうのは無いに等しい
そんなものは時間の無駄だ
次に掴み所がない これだ
これもよく言われるよ
考えてみると変っていうのも
その当人の理解の範疇内に収まらないから理解できないって事なんだろう
よくわからんが 理解できないことを認められないのか
それでもそれはそこに存在していて
それをそこに置いておくことで安心でもするんだろうな



何の話だかわからなくなってきたな いつもの事だ
いろいろ書き殴って来ても解って来たのだが
どうやら自分は錯乱しているらしい
そんな事も思ったよ
思考が飛ぶというのかな
ただそれもこの高熱に引き金があるんじゃないかと最近睨んでいるんだ
高熱はみんな恐ろしいだろう?
頭を冷やすだろう
自分は小さい頃に経験したせいなのか
それがまったく無いんだ
熱による恐怖の欠落
いや慣れだな
懐かしい親しみを感じる
そしてそこから戻った時に起きている変容が楽しいんだ
つまりそういうこと
高熱を出すたびに多少違う思考回路を得るんだ
頭がおかしいとしか思えないよな
無意識にこんな事をしてたなんて
普通に考えたらぞっとするだろうな



何を考えてるの?ってよく言われたな
誰に何時聞かれても別に何も考えてないって答えてる
これは今もそうだしずっと前からも変わらない
別に何かを隠してるわけじゃない
そうそういつも思考している訳じゃない
言葉にするのが下らなさ過ぎて
言葉にする為の力の方が勿体無い事だってあるだろう
こういう取引にも似た事は誰しもやっているはずだ
割りに合わなければ無かった事にすればいい 楽だ
定期的におかしな刺激の与え方で思考回路が増える
こう文字にしてみると自分が無いという事に思えるな
ただどうやったらそんな風に考えられるの?とは言われないな
やっぱり微笑ましくは無いんだろうな この頭の中身は