雪合戦

たった一つの言葉
言ってしまえばいいのに
頭に靄が掛かって浮かんでは消える想い
この距離がいいんだよって甘えて
無為に時間を使う事を若さだって言ってる



なんのメロディか鼻歌を歌いながら歩き回る彼女
積もったばかりの綺麗な雪面に足跡をつけて喜んでる
なんか犬の散歩みたいだな
そう思うと一瞬彼女が尻尾を振っているように見えた
それが伝わったのか両手いっぱいに雪を投げてくる彼女
身をよじるも雪にまみれる
なんでもなく笑いながら雪を掛け合う



一歩踏み出せばいいだけなのにな
昔のフィルムみたいに音のない景色
静かに落ちる雪に溶け込む
ここからみる絵は触れちゃいけない気がして
寒さのせいか心の揺れが激しさを増して
凍りついた僕の目は逸らす事ができない