だからせめて絞りたての上澄みをきみの舌に垂らそう

肌の下さらにその中にある生臭い欲望
脳とは別の所から湧き上がる粘り気のある気持ち
それを伝えるには幾重もの神経や血管を抜けて来なければならない
指先に声になる頃には湧き上がった時の影すらなく
底に沈んでいく澱は静謐に重なり続ける
こんな事をしていたら永遠に届かない
わかっていても続ける緩慢な幸せ
最初から届かなければ傷つく事もない
静かに笑いながら本当の事は少しも言葉にできない
湧き上がるそれをそのままきみに浴びせたい
きみの奥深くを探ってきみのそれを引き摺り出したい
理性が警鐘を鳴らす濁流が澱の底にどろっと溢れる
けれどそれを表す術はない
拙い舌できみの舌を絡めて
不器用な指で肌を撫でて
少しでもそうなるようにきみの中に入ろう