出会いと別れ

今じゃもうよく思い出せない
あの日この交差点で出会って
何かに怯えて寄り添って
夕日に伸びる影も
夜に飲まれる影も
シーツの上の影も



あなたがくれた言葉がこの胸に刺さったまま
この交差点に一人で佇んでいる
未来に怯えて立ち竦んで
夕焼けに繋いだ手も
夜に別れ離した手も
寝る前に絡めた手も



振り返ると今も居るような気がして
いつもみたいに声を掛けてくれる気がして
交差点を行き交う人々を見ている
何を見ながら何所へ行くのだろう



二人は一つになんかなれないって
心の底では解っていても遣る瀬無くて
歪になった影に見ないふりで嘘を重ねて
抱きしめる刹那にただ逃げ込んで
互いに盲目になる事だけで繋ぎ合ってた
それはそれで幸せだったんだろうか?
今じゃもうよく思い出せない
信号が赤から青へ変わる