空の底に降り積もった月の砂

身体から小さな粉が抜け落ちていく
月のような光を帯びた粉
それは空へ落ちていく



生温く
肌に纏わり憑く
まどろみ
そのどろりとした中で
何を想う



指さえ動かすことは叶わず
声が聞こえることも無い
願いは遠く
光は消えゆく
螺旋に囚われ
気づく事も眠る事も忘れ



影のような炎は
守るためだけに



そっと溶けて
そっと崩れて
そっと散って



少しずつ
少しずつ



時の砂は落ちる