2006-03-03 名も無き丘 male 紅い爪に細い一本の煙草 気怠るく煙を吐き出す こっちに気付いて微笑む彼女 穏やかな口元に夜に映える挑発的な唇 彼女が描きだす影としっとりとした動き どこか危うくて 霧のように儚く佇む その霧の中に迷い込む 人のものだと思えば思うほど欲しくなる 吸い付くような肌 受け入れるときの切なげな表情 俯いた時の冷たい眼 悲しい色の唇 快楽と絶望を与えてくれる彼女 刻まれた遺伝子みたく螺旋状に駆け巡る 背負ったそれに張り付けられ楔が打ち込まれていく 最後の槍は彼女の手の中に