どんな出来事でも少しずつ小さくなっていって消えてしまう

どんな出来事も例外なく
みんなとても忙しいから
大事な事なんてたくさんあるから
だからこそって
忘れたくないって足掻いてるんだ



突然の告白
戸惑う人
引き止める人
それが悩んで選んだ結果ならと受け止める人
頑張ってと元気付ける人



初めてじゃないけれど
やっぱり慣れる事はない
雑踏から少し離れた小さな部屋での出来事
外を歩けば呆れる位いつも通りの街並み



中央に置かれた荘厳な何かの神々の石像
同じ素材で作られた白く冷たい床
その道の脇を緩やかに流れる透き通った水
コツン
コツン
と足音が遥か高い天井にまで響き渡る
昔話でしか聞いた事のない遠い時代
その頃からここで眠り続けている彼ら
見守られているのか祝福されているのか
邪悪な気配は一切ない
澄み過ぎた空気が少し重たく漂う
誰かの存在や時間の流れを拒否した場所
それはみんなの願いなのかもしれないし
ここを選んだ彼女自身の意思を示しているようでもあった
今までもこれからもそういう場所で在り続けるんだろう



泣きながら笑う彼ら
困ったようないつもの笑顔の彼女
みんなが大好きだったその笑顔
手を振りながらしゃがみ込む
光の筋になって吸い込まれる
静まり返ったその場所
言葉に詰まって時間が止まる
背中を向ける人
ゆっくりと辺りを歩く人
座り込んで俯く人
言葉にしなくても
苛立って動かなくても
それぞれの気持ちがわかる
痛いほど悲しいほど



遺してくれたモノは預かっておくだけだよ
いつでもいつまでも