心海ダイバー

celame2006-11-07

水しぶきを上げずにすっと落ちる
引かれる力に任せてカラダの力を抜く
水の中はいろんな魚の群れが泳いでいたり
または生き物の気配がまったくなかったりする
カラダを守るものなんてなにひとつ無い
何が起こるかわからないから
予備の酸素ボンベすら背負わない
自分の心以外のモノの何に警戒されるか
溶けるような感覚で滲んで馴染んで行く
すると今までは折々の水景色が収束する
遠くまで見渡せる透き通った生まれながらの色
それがごく自然な事のように何も無い深い海の底
足をつけるとサラリと周りの砂のようなものが舞い上がる
あとは目を凝らしながら周囲をくるっと回れば大抵見つかる
何かに怯えて硬い堅い貝殻に閉じこもっていたり
ぼーっと漂う海藻や差し込む光を見ていたり
流れに乗って泳いでいたりする
降りてきたダイバーに驚いて戸惑いながらこう聞く
「どうやって降りてきたの?」
って



理由なんて言えないしわからないから
ただ微笑み返すしかできないけど