二人(4) - 妄り - side f

「ん・・・」



ゆらゆらと湯気が出ている彼の背中
彼の力が抜けるのを見計らって抱き留める
このときが一番好き
自然に力の抜けた二人
折り重なって心地よい眠気に漂う
荒い息と早鐘打つ心臓
目の前にある耳たぶにキス
もう眠っているのか鈍い反応
全部が愛おしい可愛らしい
彼がごろんと横になる
その投げ出された腕にいそいそと頭を乗せる
眼を瞑って呼吸を整えている
聴き入っていると荒かった呼吸は寝息に変わる
思わずぷっと笑って
掛かる前髪を撫でて額にもキスをする
お腹の中の余韻に身を任せ耽る



おやすみなさい
またあとで