ただ波にさらわれて自分が自分という液体になる

華奢な体を壊さないように抱きしめる
目一杯力を込めたいのを必死に堪える
目を閉じて肩に頬を寄せる
首筋からとろっとしたシロップみたいなあなたの匂いがする
頭の芯がじんわりと痺れる

ダメだ
滑る指先に思考が溶けていってしまう
もうどうしようもない
抗えない
でもこの感覚はキライじゃない