2007-04-12 叫び other 声を上げた 産声にも断末魔ともわからない叫びを 自分の持ち得る力をありったけ喉に込めて撃ち上げた 張上げられて空へ上る声は連なる岩山に響いた 灰色に繁る古代の森に木霊した 鳥達が一斉に羽ばたき空を覆い隠した 夏のスコールを降らせる雲がそうするように辺りは一瞬暗くなった やがて波紋が消えるように再び辺りは静まり返った 舞い降りてくる鳥の羽音と遠くの波の打ち寄せる音 僕は元からそこに生えていた樹木のように立ち尽くしていた