少し遠くを虚ろに見つめて笑う横顔 何を見てるの? 僕にも見せてよ

真っ白な少年だった僕
あなたは僕を拾ってくれた
僕をあなたの色に染めてくれた



少しずつ
あなたの色に染まっていく僕
それをあなたは褒めてくれた
完全に染まると僕の前から消えた



今も
全ての人を身代わりにして
満たされることは無く
少しの隙間を埋めるため
人と触れ合う



その人の中にある
あなたの面影を求めて



あなたの空気を纏う仕種
あなたの冷たい指
あなたのさらりとした髪
あなたの滑らかな肌
あなたの静かに響く声
あなたの薄い眼の光



消そうと思っても消えない
忘れようと思っても忘れられない



世界中に散りばめられたあなたのかけら



見つけてしまう度に
嬉しくなり
寂しくなり
僕は微笑む



そういやあなたも
嬉しそうな寂しそうな笑みを浮かべていたっけ
僕も今そんな風に笑ってるのかな
あのとき
あなたは誰かを僕の中に見つけていたの?