砂の記憶

僕はパイロットだった




目の前にある鉄くずに乗っていた
墜落しなかったのを幸運というべきか



周りは見渡す限りの砂









焼け残っている物資を取り出し確認する
何日かは生きられるか・・・



水が見つからずに物資が切れたら死ぬな・・・これは




岩場を見つけ寝床にする
砂漠の夜は寒い
明日こそ水を見つけなければ
そう思い
もう何日経ったのか・・・



物資も切れ
水筒の水ももうほとんど残っていない・・・



いつの間にか眠ってしまったみたいだ・・・
ねぇと女が声を掛けてきた




薄い布を纏った女
星に照らされ影がはっきりとしている
長くさらりとした黒髪を後ろで結っている



女はとても美しかった



現実か夢か
それとも死んでしまったのか



布をふわりと砂の上に落として
僕の上に跨り
子供をなだめる様な顔で舌を絡めてくる



女は丹念に僕の体を舐める
体中に女が絡みつく
空は幾星霜の小さな光が注いでいる



甘いまどろみの中で僕は何回も達する
汗と体液が交じり砂の上に落ちる







・・・





「隊長! ちょっと来てください」


「何か見つけたか?」


「この首飾りと指輪見覚えありません?」


「・・・ これは・・・」


「マーキングでしょうか・・・?」


「そうかもしれないが・・・少し妙だな・・・」


「ですよね こんな枯れた小さな木に・・・」