テーブルに置かれていたいつかの書置き
彼女から最後の手紙が届いた
死ぬ直前に宛てたものか
一つ一つの言葉に命と想いが込められた手紙
それらを閉じ込めるように封がされている
開けてしまうと
その彼女の灯りが散ってしまいそうで
小さな出来事の欠片
他愛のない会話や言葉に
彼女が何を想い、考えていたか
私は何も察して上げられなかった
何もしてやれなかった
手紙の最後に
あなたが言ってくれた言葉全て持って行きます あなたは自分を責めるでしょう そんなあなたをずっとこれからも好きです もう傍には居て上げられないのでそんな資格はないかもしれません あなたの人生と交われたことが一番の思い出でした ありがとう
君が書いた最後の手紙
それは向こうへの切符
君が持っていったのは私の言葉
それは私の心の一部
だけど心の真ん中の部分
私はそれを取り返しに
それを手に入れる為に
ここを離れ君の下へ