香りの儀式

季節に少し疲れた草木のような灯りが漂う
湯気が立ち込め身体に吸い付く



小さなバスに貯められた湯に精油を落とす
光の点滅のような音と共に
淡い波紋を立てる
その波は空気を伝い
この小さな部屋を覆い尽くす



息を吸い込んで
鼻腔の奥から脳、心へとその波を伝える
そうして体中に波を伝え
その香が身体を支配する




そうする事でその湯に浸かる資格を得るのだ
全ての水や灯りの子供もその香に冒される
その香と全てと一つになり全てを溶かす




目が覚めると
少し純度の高くなった自分が