食事に愛と言う名のスパイスを
「私としたい?」
そう言って来たのは女の方だった
僕の事が好みだと言う
たまたま寄った酒場のカウンターで話しかけてきた
少し話しながら
短めのカクテルを3杯程呑んで
川沿いを歩いている時だった
「それは商売かい?」
「いいえ お金はいらないわ なんとなくそんな気分なの」
「じゃぁ 幸運なのかな」
「ふふ さぁ? するの?しないの?」
「断る理由はないよ」
夜風に吹かれて彼女の髪がなびく
やがて彼女の目には何も映らなくなる
「食事をしないと生きていけないんだ」
もう何年もこんな事を繰り返している
そういや昔好きだった女を最初にしたときは
悲しかったのか
愛する事ができたら
もっと美味しいのかな