色鮮やかな音と共に 時間が戻る

クリスマスソングが街にひっそりと彩を添え始める
何時も最初にこのメロディを聞くと思い出す



安い給料でバイトに明け暮れていた頃
バイト仲間とする仕事も楽しかったし
バイトが終わった後に
人気の無いところでタバコを吸いながら喋るのも刺激的だった
地位とか名誉とかそんな言葉知らなくて
お金も自由も限られていて
狭い世界だなって思いながらも
その中で楽しく遊べるように工夫してた



数年が過ぎて
街で偶然子供を連れた彼女に出会った
お互いひと目で分った



今日は子供が居るからと
後日会う約束をした



今までの数年を埋めるかのように
夢中になって話した
いつから集まらなくなったんだろうね
あの人は何をしてるの
そんな取り留めの無い話



私は思い切って彼女を誘った
彼女は少し俯いた後に頷いた
昔と変らない



カラダ



ニオイ



シグサ



ココロ



お互いあの頃のまま


通じ合う



相手の考えていることが分る



そしてまた別れる



偶然出会うその日まで





昔も今もお互いにパートナーは居たけれど
私たちは求め合った
いやパートナーが居たからこそ
求め合ったのだ
離れても
また出会ってしまう
永遠に離れていて
永遠に一緒にいる



あのクリスマスソングが
祝福するように
非難するように
約束するように
街に溢れ出す