過去に繋がる時間
パーティの帰り道
皆を送り届けて自宅へ向かう道
自分用のディスクに切り替え
眼の奥に力を入れる
どこまでも続く灰色の道と壁
同じタイミングで電灯が通り抜ける
祭りの後はいつもこうだ
侘しさが募る
窓にこの日までのこの日の記憶が映り出す
眼を閉じても視界に入ってくる絵
夜の灯りに照らされて古ぼけた時計のよう
その絵の中のボクがこちらに気づいて振り向く
「やぁ そっちは?」
「悪くはないよ」
その微かな時間
全てのボクがボクに話しかける
ひとつひとつ選んで拾ってきた
ひとつひとつ選んで捨ててきた
全てのボクがそうしてきた
今もそうしている
今までのボクにボクは笑い返す
「ありがとう」