あなたにとって自分が生きた証って何ですか?

今日は長年携わってきた仕事の打ち上げが終わり
2次会で小さなバーへ
隣には初期の頃から一緒にやってきた一人の女性



「お疲れ様でした」
「お互い様だよ この日の為に仕事をしてきたようなもんだ」
「ふふ 分るような気がします」
グラスががかちんという音を響かせる



「また 明日」
「はい お気をつけて」



その晩
彼女が事故で死んでしまう夢を見る
ふらふらと歩く彼女
向こうから物凄いスピードでライトが近づく
時間の流れがひどくゆっくりになる
彼女は僕のほうをみて微笑む
彼女の体は不自然にねじれる
鮮血が溢れ飛び散る
顔に掛かった彼女の血はとても暖かく懐かしい匂いがした



翌日彼女は仕事場に来なかった・・・
奇妙なことに彼女の席も無かった
元から存在しなかったかのように
違和感に耐えられなくなりトイレへ逃げ込む



止まらない涙だけが彼女の居た証