死に至る病

いつからそれに怯えていたんだろう
小さい頃に大きな真っ白のキャンパスに描いた夢
少しずつ掴んで引き出して
手応えを感じながら歩いてきた



いつからか
手に入れることよりも
手を離すことに恐怖を覚えた
怖さに捕らわれ足が竦む
目の前には見慣れた交差点
点滅する信号



この日までのいつかで僕は満ちてしまったのだろうか
あの頃のように形振り構わず走る事ができないのだろうか



時間という錆が体を軋ませる
狭く暗い頭蓋の奥で泣き叫ぶ赤ん坊
キャンパスの夢は色褪せて剥れかかっているの?
緩やかに崩れゆくのを見ているしかないのか
約束された甘く優しい未来が麻薬のように体を蝕む
いっそ全て溶かしてしまおうか



嘲笑うように紅色に染まって行く空
形を変えながら流れていく雲を見てた