歪の亡霊

自分が自分でいる為に自分を演じる
昼間の自分と寝る前の自分



その間に生じる亀裂、歪
少しずつだけど確実に広がっていく
そこから湧き上がり流れ出す黒い影



目の前に溜まりタールの沼のように
ぬるりと横たわっている
自分が生きる為に産み出した亡霊
夢さえ捕り憑かれて



瘴気を漂わせて
尚も溢れ続ける
侵食され続ける
足元は心許ない
捕らわれない様に
おぼれない様に



せめぎ合って削れて飛び散る破片
わずかな瞬間光り輝いて
その一瞬を逃さないように
その一瞬に隙を作らないように
いつ死神に変わるかわからない亡霊と踊る