静けさという時の中で眠り続ける森

どうやら迷ったみたいだ



僕らが生まれる前からここに生えていた木々
今の僕の目にはとても大きく恐ろしく見える
太陽の光を遮ってこの森に悠久の夜を与える



紫色の水晶が岩肌から突き出している
冷たい光を灯しながら
それは自然が産み出した結晶
神々しいほどの儚い美しさ
それに比例するような畏怖の輝き
触れるとその明かりは消えてしまい
何も見えなくなるかもしれない
触れると僕の光は吸い取られて
何も見えなくなるかもしれない



蓄積された腐葉土を踏みしめる
少し先の生さえ不確かなまま
何もかもが握った手のひらから零れ落ちる砂のような



永らく忘れていた感覚を思い出す
生きているという実感
生きようとする意思



少し先の木々の間から零れる暖かな陽射し
思い出したかのように色彩を取り戻す景色