celame2006-03-07

名前も知らない花
静かな森の谷間にひっそりと生えてた
透明な腕を伸ばして触れる
果肉のように柔らかな葉
誘うような包まれるような匂い
深く碧い森に彩を添える色
その身を守る為の毒と棘
真っ暗な夜でも頬杖をついて眺めていたいと思った



摘んで帰った
手は血に塗れた
花は嬉しそうだった
湿って重たい部屋に明るさが戻った
花は艶が減り少し元気が無くなった



不思議な事に血を与えると花は元気になった
元気がなくなると毒性のある花粉を出すようになった



働き蜂のように僕は血を運ぶ
もう自分には血が流れていないから
明るい君が見たくて
待っていて