不透明な世界で濁った眼には見えない その手に握られた銃

情報だけで分かった気になって世界を冷たく笑ってた
神様なんて人が作ったモノだろなんて
死んだら何もかも消えて終わるだけだって
誰にも近づかないから誰も近づかないでくれ
僅かな先も見えず目の前の危険だけを避けて
少しずつだけど確実に大きくなる内側と外側の礫
小さく入った罅から甘く緩やかに流れ出していく




無意識に守り続けた小さな魂は腫瘍みたいなしこりに
いつからか持っていた銃に込められた弾丸
僅かな硝煙の匂いが指先に残る
生まれた時から使い方なんて解かってた筈なのに
知ってしまった事で知らなかった事を罪だと言うのなら



誰かを何かを殺してしまった事に
今の今まで気がつかなかった鈍い心
少し剥がれた瘡蓋から赤い傷跡が顔を出す




自分を守る為の旗を振りかざして築き上げた王国
醒めた眼で見たら瓦礫でできた廃墟だった



何かに怯えるきみの手にも握られた銃
誰かを殺して最後の弾で自分を撃つの?