星に願いを

celame2006-04-26

飲み過ぎてふらふらしながら歩く
まだ夜の空気は肌に刺さる
いつから手を繋がなくなったんだろうな



夜に疲れた人を集める自動販売機の明かり
誰も通らないような所で誰かに見つけて欲しがっているみたいで
酔い覚ましの苦い珈琲を買う
ミルクが飲めないからって子供なんだか大人なんだか
缶を渡してくる手を掴んで力を入れる
引き寄せて抱きしめる
彼女の体から力が溶け出す


「芝居がかってるのね」
クスっと笑って


「酔ってるからだよ」
お決まりの文句


ほんの少しの温かみが欲しくて互いに寄り添う
風が強く吹けば消えてしまいそうな炎
いつ無くなってしまってもと諦めではない覚悟をしてる


音の無い空に流れ出す星々
光の筋を引いて消えていく



「そういえば今日だったんだね」


互いに見上げる空


「綺麗だな 次は何年後だったっけ」


星の雨が熱帯の急な雨みたいに降り注ぐ


「願わくば次の時も・・・一緒に?」


宛ての無い約束


「そうだな・・・そうだといいな・・・」


次なんて無い事に希望を



別々の道へ歩き出す冷えた体を摩りながら



願わくばこの地が流れ光の筋となる時も
吐き出す息は未だ白く