夕べの雨 明日の風

十人十色
千差万別
人という種
伝わる心
誰かの喜びに震え
誰かの悲しみに嘆き
人と人の隙間
そこはこの世とは違うのだろう


全てが漂白される程の暴力
一枚の写真に舞い散った赤
穢れた手で見つめて
優しく穏やかに微笑む
生という澄んだ色に


風の為に手を重ねて
溶けてゆく想い
明けて個を確認する
視線を交わして微笑む
生という眩しい朝に


離れて閉じて
罪から解放されたくて飲み込む毒
震える指で炎を灯して
最悪な目覚め
空に浮かんだ己に微笑む
生という底の無い絶望に


扉を開けて荷物を降ろす
奥床しく迎えてくれる
抱き上げて顔を見合す
きょとんとした間に微笑む
生というたおやかな温度に