禁言

よくそう言われるよ
同じような事を誰かしらが言う
そう言われる度に少し・・・
ああ
そっか
またか
と頭の中で溜息が漏れる
それは意図したものではなくて
例えば冬の朝に最初に吐いた息がたまたま白かったとか



自分って一体何なんだろうっていう幼稚な問いが降り掛かる
少しばかり身につけた緩やかな狡知でやり過ごす
内面へ潜るとあまりの白けた浅瀬に苦笑いをこぼす
底に埋もれた残骸を引き上げる必要なんかなくて
ただ悪戯に濁らせて遊んでいるだけ
拗ねた子供みたいに遊んでほしいと願っている