夏の夕暮れ

カナカナカナカナカナ・・・
ヒグラシの鳴き声で目を覚ました
部屋に入る光からは明け方なのか夕暮れなのかはわからない
痛む頭を抑えて水をゴクっと飲み干す
乾いた喉に染み入る
何かの鳥も鳴いてる
カーテンを開けると日が傾いている
路面が僅かに濡れて光っている
窓を開けるとむっとする懐かしい熱気
水鉄砲を持ち寄ってみんなで戦争ごっこなんかして
これくらいの時間になるとぽつぽつ帰る人が出てきて
最後は二人とかでも遊んでいて少し物悲しかった
今の自分は何をやっているんだろう
思い返し蘇る映像の純粋さに愕然とする
戻りたいとは思わない
ただただ遣る瀬無さと不甲斐無さが圧し掛かる
胸の奥がズキリと音を鳴らして



考える煩わしさから
甘く苦い胸の痛みから
逃げるように隠れるように目を瞑る



鳴き声と風と想いが物憂げに