生きとし生ける

反復して拡がる痛覚を刺激する波紋
目を閉じて畏怖の色と同じ世界へ身を置く
波紋は体へ拡がり色をも歪ませる



体も心も疲れ切って迎える深黒の夜



月や
山や
海や
空や



生きている事の意味
わかる日がいつか来るのかな



消えてしまいたいという儚い溜息
やり過ごす日々に重なり続ける罪悪
自我の呵責に軋む頭蓋の奥
叫ぶ声は自分の喉にすら響かず



宵闇の森の奥深くに沈み込むように
煙草の煙が空へ吸い込まれるように
砂時計の最後の一粒が落ちるように



自然が奏でる千年を越える律動



月に
山に
海に
空に



人々が詠うの事の意味
今ならば少し言葉にできる



在るもの全てに身を任せる
通り過ぎる時間を感じよう力の限り
朽ちていくだけでも構わない



私達の時計は誰も居なくなった後でもそれを刻み続けるのでしょうか



月と
山と
海と
空と



生きたいと思う事の意味
それならば少しはわかる気がする


君に逢って頬を撫でたい
時計の扉を閉めて光から見えない場所で
生暖かい温もりに触れていたい
漂うように視線を交わして