息継ぎ

肩で呼吸をする
体をうまく動かせない
手足には眩暈にも似た軽い痺れ
吸い込む空気は腐っているみたい
生ぬるく不快に肺を満たす
濁った目に気付かない振りをする
一緒に居るのは楽しいよ
これからも一緒に居たいと思うんだ
本当に
本当に
それでも自分が自分じゃないみたいな感覚
それぞれのペースで走り続けて
何処かからか一緒に走ってた
僕は特別独りを好むとかそんなんじゃない
寂しがりだよ
とっても
君もしっているはず
だけど
息ができなくなるんだ



「少しの間さ」



「会わないでおこう」



気怠るい眠りをメールで起こされる事もなく
仕事帰りに飲みに言っても言い訳なんて要らない
休日は好きなときに起きて何もしないで過ごしたり




少しずつそれにも飽きてくる
やっぱり
自分がわからなくなる
時間の感覚がなくなる
今日は何月何日だっけ
昨日の夜は何を食べたっけ



「ねぇ? ひとりの間何してたの?」



「ん? 何も 何もしてなかったよ」



本当にその通りなんだ
一人だと何かするにも
きみがいないと僕は僕ですら居られない
飛び込んで潜って
きみと一番深い所で大きく息をつく