きみにとって特別で居たい

一緒に行こうよって言って差し伸べられた手
握り締めるととても小さかった
けれど安心した
だけど悔しかった
それは本当はオトコの役目なのになって



嵐の夜に疲れた体寄せ合って毛布に包まってた
重たいカラダを引きずるように俯くきみ
力を入れすぎず緩めすぎず背中に手を回す
自分の存在をほんの少し主張する



肩に冷たいものが落ちた
耳元には押し殺した声
震える小さな肩
こんな時にこんな事しかできなくて
泣かせてしまってごめんね
捉え所の無い気持ちに戸惑う
子供を寝かしつけるように背中を軽く叩く
零れ出して止まらない涙
言葉にならず頷くきみ



この表情は僕だけのものなのかな
少なくとも今だけは
不謹慎だけど泣いてる顔も愛しくて



自分がココに居る意味
僕らは独りじゃないんだ
耳元で知らない自分が囁いた