涙は上に落ちることはないから そっちはきっと哀しむ事が無い所

今頃何をしてるのか
どの辺りで遊んでるのか
想像も理も声すら及ばないその場所
穏やかな所だといいな
相変わらずのた打ち回っている俺を見てるか?
街中に華やかな音楽が溢れ始めるこの時期
降って来る白い羽根みたいな雪の先を見上げる
なんでこの腕には翼がないんだろう
お前を抱き締めてやれないんだろう
どこかですれ違ったらお前は俺に気が付くだろうか
俺の顔や名前を覚えて居るだろうか
もし会う事ができたら手を繋いでくれるだろうか
掌を見返してその大きさを思い出すよ
俺はそっちには行けないんだ
なんとなくわかる
俺は良い人間じゃなかったから
だから俺は生き続けるよ
無様でも滑稽でも
たまにどうしようもなく俺が俺じゃなくなったとき
そんなときには俺の背中を押してくれ
その悲しく優しい思い出に包み込んでくれ
白く冷えた景色と華やかな音楽で眠れ魂よ